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heartdiary1224’s blog

『心の中の大切な日記』 誰かの勇気につながってほしい。。そう思って書かせていただきました。

第11章 見つからなかった宝物

そっと、日記を開けた。


ゆりの誕生日が日記の一番最初だった。
そこからいろんな気持ちが書かれていた。

俺は思い出した。
誕生日に話していた言葉を。。


『健介君、ありがとう。。
 今日のこと忘れないように日記に書くねッ!!』


自分の記憶と懐かしい思いが重なり合って
ゆっくりゆっくりページをめくった。


☆日記をなんだか書きたい気分になった。
健介君と出会って楽しい毎日。
ケンカをした時は私から謝らなかったなぁ。。
反省とッ・・
おばさんの家で誕生日をした時から
なんだか温かい気持ち。。
香織のことはショックだった。
健介君はおばさんと私に
明るい元気をくれる。
健介君と海に行って告白された。
とても嬉しかった。ドキドキだった。
海で健介君と話している時間が
とても癒される。。
今日は私の誕生日。海で花火をした。
私にとって久しぶりの花火!とても綺麗だった!!
健介君から指輪をもらった。
パラシュートから・・・・
これはきっと忘れないから書きません。。
昨日、本を見て作ったチョコを渡した。
おいしいか・・・どうか・・・
今ごろ、食べてるかな。。
私は健介君が大好きだ。。
おばさんの風邪が治りますように。。


☆今日はおばさんと健ちゃんで
お花見に行った。
早起きをしておばさんの家で弁当を作った。
朝寝坊だから心配だったけど
6時前に起きることができた。
おばさんも朝からハイテンションでした。
健ちゃんもバスの中でウキウキでした。
久しぶりの家族旅行みたいな感じだった。
満開の桜でとても癒された。
桜の木の下でトランペットを
演奏している人がいて
香織のことを思い出した。
おばさんも思い出したみたいだった。。
今日、ひとつ楽しみができた。
おばさんの誕生日に演奏会をする約束をした。
しかもッ、健ちゃんが参加!!
健ちゃんはちょっとビックリしてたけど
健ちゃんと一緒に演奏をしたい!!
こんな気持ち!!
健ちゃんとひとつの音楽を作って
おばさんを元気つけたいなぁ。。


☆今日は健ちゃんに
私の大事な大事なフルートをみせた。
健ちゃんは初めて見るみたいで珍しそうだった。。
フルートはお母さんがくれた私の宝物。
このフルートを健ちゃんにみせたかった。
だからとても嬉しかった!!
ずっと眠らせていたけど
これからは音をだしてあげたい。
その方がお母さんも喜ぶと思う。。
おばさんの誕生日、楽しみだーーー!!


☆いじめが何だ!
私はあいつらには負けない!
香織との約束。
受験勉強の時の
頑張れッて応援してくれた
香織の顔覚えてるよ。。

私は負けない!!


☆今日はおばさんの家に健ちゃんと行った。
晩ご飯を一緒に食べた。
健ちゃんがものまねショーをした。
なんか宴会みたいですごく面白かった。
帰り公園に健ちゃんと行った。
自転車の練習をしている子がいて
健ちゃんと手を握り締めて応援した。
健ちゃんに作詞をもらった。
温かい詩!!感動した!!
今、曲を考えているけどなかなか作れない。。


☆今日、曲ができた。
健ちゃんに披露したらすごく喜んでくれた。
歌の題名も決めた。
題名は二人の心に思った文字を
ひとつずつ合わせた。

健ちゃんは『涙』

涙という字は戻るがある・・・
戻るために涙を流すんだ・・・
泣くという字は立つがある・・・
立ち上がるために泣くんだ・・・
健ちゃんが熱く語ってくれた。

健ちゃんは涙は悲しい意味ばかりじゃないって。。

だから・・『涙』

私は晴れの空が好きだから『晴の空』

ふたつあわせて『涙晴の空』にした。
おばさんの嬉しい顔が目に浮かぶなぁ。。
明日も練習だ!!


☆健ちゃんの家の押し入れにあった
ギターをみせてもらった。
健ちゃんはギター始めて触るみたい・・
今、健ちゃんに渡すギターの
弾き方のノートを書いた。
結構、難しいかもしれない。
なんだか目が痛い..。
少し、疲れ目かなぁ。
徹夜で書いたんだよッ。。
ゆっくり練習していこう。。


☆今日も海で練習した。
健ちゃんもだんだんうまくなっている。
海の夕日もすごく癒される。
やっぱり、私は音楽が大好き。。
フルートが大好き!!


☆健ちゃんが私を守ってくれた。
健ちゃんは入院した。
私がフルートを落としたせいだ。
・・・健ちゃんのお母さんが
大切な気持ちを教えてくれた。
健ちゃんと私はなんだか似ていると思った。
お母さんにもらったフルートは
大事にしていた宝物
健ちゃん、ありがとう。


☆今日はりんごを買って
健ちゃんに会いに行った。
顔の腫れも少しひいたみたいだ。
健ちゃんに香織とのことを伝えた。
黙って聞いてくれた。
なんだか伝えることができて
スーッと気持ちが軽くなった。
でも、健ちゃんが香織を
最後に見た時、泣いていたと言っていた。
香織はなんで泣いていたんだろう。。


☆私は学校でひとりぼっちだ。
それでもいい。
健ちゃんがいる。
おばさんもいる。
だから、大丈夫だ。。


☆今日はおばさんと一緒にバスに乗り
健ちゃんの見舞いに行った。
健ちゃんも元気になってきた。
おばさんのゲートボールの話や
近所のおじいさんの話で盛り上がった。
三人で香織の墓参りに行った。
健ちゃんの車いすをおした。
おばさんはとても嬉しそうだった。
帰りに健ちゃんと公園で
だるまさんが転んだをした。
保育園以来かな・・・
健ちゃんも張り切っていた。
とても楽しかった。
学校で健ちゃんの写真を
破られたことは言えなかった。
でもだるまさんでつらい思いがふっとんだ。
健ちゃんと今日は大切な思い出の日だ。
生まれて初めてキスをした。
なんだか胸が熱くなった。
帰りにおばさんの家で夕食を作り
二人で食事をした。
健ちゃんはもうすぐ大部屋に移動予定だ。
荷物の移動・・大変だろうなぁ。。
健ちゃんが早く回復しますように。。


☆健ちゃんは六人部屋に移っていた。
今日は朝から夕方まで病院にいた。
お昼に屋上で『涙晴の空』を演奏した。
健ちゃんはリサイクルショップで
ギターをゲットした。
また一緒に練習ができる。
とても嬉しい。。
健ちゃんと病院の屋上から見た空が
とても綺麗だった。


☆今日、香織のお墓参りに行ったら
父さんが手をあわせていた。
父さんもあの日から通っていたことを
住職さんに教えてもらった。
今まで、知らなかった。
私は声を掛けることができなかった。
今日、家に帰っても
父さんをずっと無視している
自分に情けなく感じる。
無視される辛さは私が知っているのに。
父さん、ごめん。ありがとう。。


☆健ちゃんが今日、退院した。
健ちゃんの快気祝いを
おばさんの家でした。
また、おばさんの家で
ワイワイできるのがすごく楽しい。。
みんなハイテンションだった。


☆健ちゃんは学校へ松葉杖をついて
電車通学し始めた。
学校の帰りに駅のホームで待ち合わせた。
健ちゃんと久しぶりに二人乗りをした。
なんだか足が重く痛い。
でも、爽やかな風だった。
おばさんは老人ホームへ行きたいらしい。
できることならやめてほしい。。
おばさんのそばにいたい。。


☆もう慣れているから別に関係ないけど・・・
私の近所のイメージは未だに悪いみたいだ。
人の評価は関係ない。とずっと思ってきた。
でも、やっぱり寂しい。悲しい。。
私は香織もおばさんも
香織のお父さんも大好きだった。
でも・・・近所の人はいつも同じ目だ。
私が通るとひそひそ話をしている。
おばさんが今日、あの人たちを怒った。
健ちゃんも私の味方だ。
私には心強い味方がいる。
だから負けない。
ゆっくり歩いて行きたい。


☆香織は私のことを誤解していた。
とても悲しい。。
健ちゃんにも悪いことをした。
でも、もう会いたくない。


☆今日、おばさんの家が壊された。
香織と遊んだ部屋。
いっぱい楽しい思い出がある。
健ちゃんと初めて会った場所。
おばさんとごはんを
食べることももうできない。。
もう私には行く場所がない。
おばさんの誕生日もできなくなった。
健ちゃんと演奏がしたい。
健ちゃんと別れたくはない。
でも、香織に悪い。
私だけが楽しいのは香織に悪い。
何だか頭が重い。
健ちゃんと別れようと思う。。


☆今日は香織の命日だった。
駅員さんから手紙をもらった。
健ちゃんからだった。
ホームでずっと私を待っていてくれた。
私からは健ちゃんへ進めない。
健ちゃんと呼びたかったけど
呼べなかった。
健ちゃん、無理ばかり言って
本当にごめん。。


☆明日はおばさんの誕生日。
おばさんの近くで演奏したい。
フルートがいろんなことを
忘れさせてくれた。
隣にいない健ちゃん。
やっぱりひとりの演奏は寂しい。
二人で演奏したい。
おばさんと健ちゃんとの約束。
おばさんに聞こえなくていい。
健ちゃんと考えたこの曲が
おばさんの心に届きますように。。
健ちゃんの心に響きますように。。


☆今日のことは忘れない。
砂浜に健ちゃんが来てくれた。
私の中の答えがゆっくりと
みつかったような気がした。
おばさんに『おめでとう』を伝えたくて
二人で『涙晴の空』を演奏した。
おばさん以外の人もたくさん聴いてくれた。
最高の誕生会だった。
健ちゃんは私が書いたノートを見て
練習していたみたいですごくうまかった。
フルートはいろんなことを忘れるために
吹くんじゃないとわかった。
健ちゃんが守ってくれたフルート。
健ちゃん、ありがとう。
たくさんの人の笑顔をみて
とても大切なことに気づいた。
今が大切。。
私は健ちゃんと歩いて行きたい。
これからもいろんなことを
耳にするし感じると思う。
だけど、健ちゃんがいたら
私らしく歩いていける感じがする。
香織はどう思う。。
私は健ちゃんといろんな気持ちになって
ゆっくり歩いて行きたい。
私はクリスマス会にいきたい!!
自分に正直に生きたい。。


☆今日は雑貨店で
男性用と女性用のサンタの衣装を買った。
健ちゃん、とても似合う気がする。。
なんだかとても足が痛い。歩きすぎたかな。。
楽しみだ----。


☆今日も公園で練習した。
口内炎ができて演奏がきつかった。。
クリスマス会までには治るといいが・・
やっぱり健ちゃんと一緒にいると楽しい!!
健ちゃん、サンタの衣装
びっくりしてたけどのりのりだった。
今日、自転車の鍵を渡した。
健ちゃんは何も言わず受け取ってくれた。
とても嬉しかった。


☆今日は3時に待ち合わせをして
水族館へ行った。
健ちゃんと初めて特急電車に乗った。
水族館に到着した時は綺麗に
イルミネーションが輝いていた。
すごく綺麗だった。
ハリセンボンが膨らんだ時
健ちゃんもほっぺを膨らませた。
面白かった。
たくさんのイワシがすいすい泳いでいて
とても綺麗だった。
健ちゃんのペットボトルロケットを思い出した。
とても癒される最高の時間だった。
帰りのホームで歌をうたった。
健ちゃんは手拍子をして聴いてくれた。
家にいた時、ひとりで口ずさんでいたから
聴いてもらって何だかすっきりした。
健ちゃんと久しぶりに二人乗りをした。
私は健ちゃんのそばにずっといたい。
心からそう思った。


☆今日は健ちゃんと老人さんたちに
配る歌詞カードを1枚1枚書いた。
朝から夕方までかかった。
かなり疲れた。
なんだか熱っぽい。
風邪、ひいたかも。。
でも、おばさんを喜ばせたい。
そして、いろんな人を楽しませたい。
だから、疲れも感じない。
楽しみだなぁ。。


☆おばさんは認知症になった。
とても悲しかった。
私は取り乱してしまった。
今までの私だったら逃げ出していたと思う。
健ちゃんの言葉は忘れない。
だから、日記には書かない。
心に入れておきたい。
この日記を『心の中の大切な日記』としたい。
表紙に題名を書こう。。
歌詞カードを貼り付けていた
健ちゃんの気持ちも忘れない。。
健ちゃんも涙声で歌っていたけど
みんなに『涙晴の空』を
心で聴いてもらったと信じたい。
おばさんもじっと聴いてくれた。
もう、何があっても逃げ出さない。
老人ホームでおばあさんのそばに・・・
いや・・いろんな人たちのそばにいたいと思う。
私はいろんな人を笑顔にしたい。
高校を卒業したらここで働きたい。。
私にとって今日は忘れられない大切な1日だった。


☆健ちゃんと駅で待ち合わせをして
お好み焼き屋さんに行った。
健ちゃんは将来の夢を語ってくれた。
私も夢を語った。
健ちゃんの目は輝いていた。
健ちゃんの夢が叶いますように。。


☆ホームの人たちと公園へ行った。
おばさんが笑ってくれた。
おばさんは私を忘れた。。
おばさんのそばにいるだけで幸せ。
それだけで幸せ。
そんな気持ちになった。


☆今日は健ちゃんと待ち合わせをした。
健ちゃんには体調のことは言えなかった。
健ちゃんは4月から受験勉強だ。
頑張ってほしい。
健ちゃんの笑顔をみていると
話すことができなかった。
言わないでおいたほうがいいかもしれない。
迷っている。。


☆今日は私の誕生日。
健ちゃんと海に行った。
あの日以来、行ってない砂浜。
やっぱり綺麗だった。
『涙晴の空』演奏した。
波の音・太陽の眩しさ
あの日と変わっていなかった。
健ちゃんと一緒に
同じ場所にいる。
それが幸せだ!!!


☆ホームで節分祭をした。
昨日、作った鬼のお面をつけた。
みんな笑顔だった。
おばさんも楽しそうだった。
楽しかった。


☆パートの人が寮母室で
おばさんと私の関係を話していた。
訪問に来た近所の人たちから
聞いたみたいだ。
昨日からパートの人の目が違う。
別に関係ない。
私を守ってくれる仲間もいる。
私はおばさんのそばにいたい。


☆今日、老人さんから聞かれた。
おばさんの家族を苦しめていたのかと・・・
何もいえなかった。


☆園長室で園長と話した。
おばさんとの関係を聞かれた。
近所の方から聞いたみたいだ。
そのまま何も隠さず話した。
おばさんといたい気持ちを
まっすぐに伝えた。
園長はこれからもここで
みんなをよろしくと言ってくれた。
なんだか温かい気持ちになった。
パートさんも温かく接してくれた。


☆今日、病院へ行った。
やはり熱が高くなる。。
気持ち悪いし吐き気がする。
一応、検査と言われた。
まぁ、大丈夫だろう。
明日は検査。早く寝よう。。


☆今日、血液検査をした。
なんだか体が重い。。
体重も落ちた。


☆今日も体が重く、めまいがする。
でも、おばさんのそばにいたい。
みんなのそばにいたい。
父さんが検査入院をしろという。
今は入院はしたくない。
今まで通りホームに通いたい。


☆今日はホームに健ちゃんが来た。
二人でデュエットをした。
健ちゃんが女役、私が男役。
健ちゃんの化粧には笑った。
帰りに体調のことは話せなかった。
健ちゃんが遠い存在になるのが怖い。
父さんが心から怒ってくれた。
私の病気のことを話し合った。
雛人形を保育園以来、二人で出した。
母さんの手紙が入っていた。
父さんも私も泣いた。
母さんは心で生きていると思った。
私は父さんの存在を忘れてた。
肩車してくれた日。
保育園の運動会で必死に走っていた日。
自転車を教えてくれた日。
動物園に行った日。
帰りが遅いからと心配してくれた日・・・・
父さん、今までごめん。
私は入院して治療に専念することを決める。
今日、ホームを辞めた。
おばさんと離れるのは寂しい。
おばさんといた2ヶ月ちょっと。。
とても温かい思い出ばかりだった。
健ちゃんはあの日、言っていた。
嬉しい気持ちや悲しい気持ち、勇気や迷い・・
いろんな思い。
今という大切な時間。
今という時間、小さなしあわせを
少しでも感じることができたなら。。           
私は小さなしあわせを感じたい。
生きたい。
健ちゃんといろんな思い出を
これからもつくりたい。
今までできなかった親父孝行もしたい。 
だから、治療に専念する。


☆今日入院した。 
健ちゃんにもホームのみんなにも
結局、何も話せなかった。。
健ちゃんも高校3年生になる。
健ちゃんは受験勉強に励んでほしい。
私のことで心配はさせたくない。


☆今日、健ちゃんと演奏した屋上に行った。
あの日、二人で演奏をした。
とても懐かしい~って感じた。
青空がとても綺麗だった。


☆薬の作用で髪の毛が抜け始めている。
なんだかボーッとする。


☆健ちゃんに会いたい。
おばさんに会いたい。
健ちゃんと一緒にいたい。
おばさんと一緒にいたい。
電話で恋人ができたから別れようと嘘を
言おうと思ったけどやっぱりやめた。
会ってちゃんと本当のことを話したい。
いろいろ心配させて
健ちゃんの受験勉強の邪魔になるかもしれない。
でも、伝えたい。
健ちゃんにありのままをみせたい。。


☆さっき、健ちゃんに電話した。
電話では伝えられない。
会って私の気持ちを伝えたい。
健ちゃんの思いを大切にしたい。


☆父さんに協力してもらって無断で外出した。
どうしても健ちゃんに会って話したかった。
父さんは納得してくれた。
今日、健ちゃんに伝えることができた。
なんだか胸がスーッと軽くなった。
健ちゃんも側にいてくれる。
私は絶対に前に進んでやる。。
久しぶりに二人で『涙晴の歌』を歌った。
すごく癒された。
辛いことがたくさんあると思うけど
未来には笑ってる私がいる。
そう信じていたい。


☆熱が出てきた。治療がつらい。
酸素マスクをつけた。


☆父さんから
すごい写真をもらった。
私の宝物になりそうだ。
健ちゃんに見せてあげたい。
驚くだろうな。。


☆健ちゃんの声が聞けた。
足が重かったけど公衆電話まで
歩いて行くことができた。
転んで出血してしまった。
看護師さんは温かい。
優しく私にいつも接してくれる。
健ちゃんに会える。
演奏ができる。
健ちゃんの声は温ったかい。。


☆治ると信じたい。
信じたい。信じたい。


☆私はどうなるのだろう。。
なんだかこの世界から
いなくなることを考えてしまう。
生きていたい。強くそう思う。
もし、私がいなくなったら
この日記は空白のままで終わるのだろうか・・
私が生まれ変わるとするなら
文字になっていろんな人の心に
喜びや悲しみやいろんな思いを届けたい。
この日記を誰かに読んでもらいたい。
私の今までの人生を伝えてほしい。
いろんなことがあっても
私はとても幸せだったと。。
健ちゃんという
最強の味方がいたということを。。
私は文字になって
いろんな人の気持ちに響いて生きていたい。


☆もう駄目かもしれない。
健ちゃんに会いたい。
電話の所までいけない。


☆健ちゃん、ありがとう。。
いじめで苦しんでいる人に伝えてほしい。
この日記を読んで伝えてほしい。
楽しいこともみつけたらきっとあると・・
いろんな人に伝えてほしい。
私には健ちゃんがいた。
それがしあわせだった。。
もう、

このノートには短時間では
読めないほどの思い出が
たくさんの気持ちが綴られていた。


俺の目に自然と飛び込んできた言葉だけを
噛み締めながら読んでいた。


懐かしかった。
悲しかった。
そして嬉しかった。。

もう、
ここで日記が終わっていた。
日記の後半は字が薄く文字がずれて
書くことさえ辛かったと思った。



俺の涙で日記が濡れていた。



最後のページを開いた時
スッと1枚の写真が下に落ちた。

桜の木の下でアップで撮影された
男の子の写真だった。

ニッコリと微笑んでいる男の子。

『お父さん、この写真は・・・なんですか。。』

『あぁ・・・これ・・・最近、見つけたんだ。。。
 木下君、左隅をよくみてみ・・・』


『アッ!!!』

その瞬間・・・
俺はタイムスリップしたような感覚になった。


ゆりとおばあさんと俺が
小さく写っていた。


『これ・・・・
 去年の写真コンクールの優勝のやつなんだ。。。
 たまたま駅で展示されていて
 よく見たらゆりが写っていた・・・
 撮影した人を教えていただいて
 焼き増してもらったんや。。。』 
   
『嬉しくなってゆりに教えてやった・・・
 ゆりは木下君に見せるって・・・
 とても喜んでな・・・』


とても小さいが間違いなく俺達だった。
3人が桜の木の下で笑っていた。

ゴザに座り、楽しそうに
弁当を食べている写真。

懐かしい風景。
懐かしい風。
懐かしい思い。。


あの時は『今という時間』を
当たり前だと感じていた。
これからもずっと変わらず
楽しい時間が過ぎていくのだと思っていた。

でも・・・
横には静かなゆりがいる。

俺は写真と横にいるゆりをみて
ずっと泣いていた。

時間さえ忘れていた。
気がつくと外は真っ暗だった。


『木下君・・・
 木下君はゆりのどこが好きやった・・・』

『俺はゆりの笑った顔が一番好きです。。』


『そうか。。笑顔かぁ。。。
 前も話したけど・・・
 俺はあの事故以来
 本当の笑顔で笑ったゆりをみていない。。
 でもなぁ。。
 この写真を渡した時
 子供の頃の笑顔やった。。。』

『俺が再婚してから・・・
 ずっとゆりを苦しめていたのかもしれん。。。
 俺は再婚して・・
 ゆりとふれあうことがなくなっていた。
 秋野さんの娘さんのボールを投げたのも・・・
 寂しかったからかもしれないなぁ。
 あれ以来、苦しい思いをさせて全部、俺が悪い。』

『それは違うんです!!
 お父さんの・・いやッ・・・
 それはみんなの勘違いなんです!!!』
  
    
俺はあの日、ゆりが話してくれた
全てのことを話した。

ゆりの行動は間違っていなかったと・・・
それが原因でいじめがあったことも・・・
そんな毎日でも俺には笑顔だったと・・・ 
いじめた人も後悔を抱きながら生きていると・・・・ 

すべて話した。
今までゆりが話せなかったことをすべて伝えた。
正直、伝えてよかったのかどうかわからない。。

でも伝えたかった。

『木下君、ありがとう。。』

『ゆりはいつも俺を無視してた。
 でも、毎日テーブルの上に
 朝食と夕食を置いてくれてあったんや。。
 いじめで辛い日もあったかもしれん・・・
 それやけど・・・ゆりは・・・・
 ゆりをまっすぐ見ていなかったのかもしれんな。
 あの時、死んだ母さんがいたら・・・
 ゆりの人生は変わっていたかもしれんな・・・』


そう言いながらお父さんは
1通の手紙を俺に渡した。